1月の英検5級にに3年生、4年生の生徒がチャレンジをして全員合格しました。
地域の大きな設備の整った大学での受験で、
保護者の皆さんからは、小学生のうちから、このような緊張感のある受験体験が
とても良い経験になったのではないか、とご感想が聞かれました。
以前、多くの生徒を受験させる時、
英検キットを英検本部より郵送してもらい、自宅の教室で受けさせたのですが、
このやり方はフェアにはならないな。。。と感じました。
英検には、私なりに疑問点があります。
1 私が中学生だった頃から出題内容が同じ
2 まだまだ暗記に頼る内容
3 言語習得に合格、不合格という基準
4 「日本付き短文語句整序」の数字で頭が混乱(私だけ?)
5 時代に合った内容だろうか
では、これらの項目を1つずつ説明をしていきたいと思います。
1 私が中学生だった頃から出題内容が同じ
December is the twelfth month of the year.
12月は一年の12番目の月である。
このような文章問題は、私が中学校で初めて英検を受けた時にも出題されていました。
現行の中学校で習う英語学習から、出題されているのだと思いますが、
このような同じパターンの問題が、40年以上、全く同じなのです。
First, Second, Thirdなどの序数の言い方は、英語の雑学程度で良いんじゃないかな。。。
それよりも、「First (of all) (まず最初に)」とか「for the first time (初めての時に)」
などの表現を五級レベルから扱っても良いのではないでしょうか。
よりコミュニケーション英語に近づくと思うのです。
2 まだまだ暗記に頼る内容
私の「合格を目的とした」(カギかっこにアンダーラインに注視してください!)
英検対策のやり方(5級から3級)は、
7日間完成 英検予想問題ドリルを与えて、ひたすら、何回も読ませて解かせます。
わからない答えは、解くまえに正解文章をノートに、
文章を言いながら何度も書かせて、
それから、また何回も解くことで、子供たちは問題のパターンを覚えて、
まあ、5回以上同じことをしていると、どんな子供でも、六割以上の正解率になってきます。
決してお勧めできるやり方ではありませんが、
英検学習で、英文法の解釈や単語を覚えることを目的とせず、
ただ、合格だけをねらうのには、このやり方で結果を出しています。
ただし、英語に全く触れていない子供たちには
このような乱暴なことをやらせているわけではありません。
ある程度、フォニックス学習が進み、
絵本も自分の力である程度、抵抗なく読めている子供たちに限ります。
それにしても、ただ、闇雲に問題を解くと、
合格ができるパターン練習での英語学習は、
私が推し進めるものではありません。
3 言語習得に合格、不合格という基準
ここの部分は、特に、英語教室の経営を始めた時から、
あまり好きな部分ではありませんでした。
言語学習なのに、「合格」「不合格」といった文言が、
テストの結果に刻印されることに違和感を感じていました。
長い教室経営の中で、「私の教室では英検対策はしません」と言い切っていました。
その代わり、中学生になったら、TOEIC Bridghe が受けられるレベルまで英語力を上げました。
私は、教室開設当初(約30年前)から、
コミュニケーションのための英語教室にこだわり、
「塾」という位置づけをされると、
「塾ではありません。英語教室です!」と言い返していました。
その分野でない方々には、どっちでも良いことなのですが、
私は、「英語」という、人との情報共有や心の結びつきができるツールが、
その人の、英語の力の点数化の材料となり、
そこで「できた」「できてない」という評価になり、
高校や大学の合否に影響を与えることが、
とても、やるせなく感じていたのです。
私は、英語という道具で、いろんな国の人々から、
いろんなことを教えていただき、助けていただき、
心の豊かさを育ててもらえたので、
「合格」「不合格」という響きに、違和感を感じています。
4 「日本語付き短文語句整序」の数字が混乱する
私は、小学校の頃から、算数が得意ではありませんでした。
中学校で英検を受けた時、
シンプルに、言語のテストだと思っていたのですが、
日本文の問題の1つ1つに、(21)(22)と番号があり、
与えられた英語の単語の1つ1つに、①、②と番号があり、
回答のところに、太文字の1、2、と番号があり、
そして、選ぶ答えは、③ー②、①ー④、の組み合わせから選ぶ。。。。
皆さん、混乱しないんですか?
私は、中学校で初めて英検を受験して、
「日本語付き短文語句整序」という問題をみた時、
ただでさえ、英検テストで緊張しているのに、
いろんな数字が目に飛び込んで、思考停止になってしまいました!!!
日本文、英単語、数字と、いろんな物が配列されている問題は、
算数が苦手な私には、今でも違和感を感じるものではあります。
5 時代に合った内容になっていない
Are you doing your homework, Jim?
No, I'm writing an e-mail to my father.
He is in New York.
もう、そろそろ、このような内容の問題は、
なくなれば良いのに。。。と思うのですが。。。
e-mailはビジネスにおいては使われていても、
学生の間では、e-mailでのやりとりは、
今や、SNSなどのコミュニケーションツールにとって変わっています。
子供たちが、全くイメージができないような出題ではなく、
今の時代にあった内容の問題に、
時代とともに変わって欲しいと願っています。
今回の5級の問題を中心に考えをまとめましたので、
級が上がると、また違った見方ができるかと思いますが、
今回、子供たちに英検対策の指導をしながら、
感じたことをまとめてみました。
色々と感じることはありますが、
英検の結果をもらった子供たちは、
次のレッスンから、とても生き生きとして、
コミュニケーションのための英語学習への取り組む姿勢にも、
今までよりも、勢いが見えてきました。
こういった変化があることが、
英検を受ける最大の効果かもしれません。
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